紅花のお話

紅花のお話~歴史のお話

最上紅花のルーツ

最上紅花のルーツは中近東の古代キルギスであり、とても強い棘の葉を持った植物です。長い年月をかけて人が改良し、棘の無い紅花として貴重な紅の染料と、生薬として珍重され、古代エジプトではミイラの布の染色にも用いられていました。


『ルーツとされる紅花の原種』笹沼恒男論文
ベニバナの系統進化・多様性と山形のベニバナ「最上紅花」について

『古代キルギスの石人の遺跡』
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/

『グレコ・ローマン時代のミイラ包帯』
http://leidenegypt.jp/structure/page3/

 

紅花がシルクロードを渡って日本へ伝来

日本へは中国からシルクロードを渡って渡来人とともに伝えられ、弥生時代後期(3世紀中頃)の纏向遺跡からは紅花染めが行われていたであろう遺構が出土しています。603年に聖徳太子が制定したとされる冠位十二階では3番目に上位とされる礼に紅色があてられており、この紅は紅花染めとされています。
10世紀には律令を記した『延喜式』が編纂され『延喜式・縫殿寮(えんぎしき・ぬいどのりょう)』では染色方法が詳しく記されており、紅花はとても珍重されていました。また、多くの地域で紅花を税として納めていた記録も記されています。


纏向遺跡


纏向遺跡

冠位十二階

 


『延喜式』國學院所蔵